今回は少し話題が逸れます。
昨夜3月8日は、日本のバーテンダーの中でもひと握りの人達にとっては、ソワソワと過ごしたに違いありません。彼らにとってトリノオリンピックやWBCどころではないでしょう。
これは、フレア・バーテンディングの話。フレアをご存じですか?
今年また、ワールドクラスの日本人バーテンダーが生まれました。
フレアとは、カクテルを作る過程でボトルやティン(シェーカー)をスピンさせたり、ジャグリングしたりしながらお客さまを楽しませるバーテンダーのテクニック。トム・クルーズ主演の映画「カクテル」で一時期話題になったスタイルです。
このフレアの世界で今、日本が強いのです。
米国ラスベガスで現地時間3月7日に、フレアの世界大会「Legends 8」が開催されました。
これはゴルフでいえばマスターズのように、各選手の実績を基に主催者から招待されなければ出場できない世界最高峰のレベルの大会です。
出場選手63人の中に、日本人は10人招待されていました。
6日に予選が行なわれ、7日のファイナルに出場できる選手が10人に絞られます。
この予選で日本人4人がトップ10に入り、鳥取の「ビストロ庵」に勤める前田知憲(ともひろ)さんがなんと2位、そしてT.G.I.フライデーズの金城光浩さんが3位となり、世界中から集まったフレア・バーテンダーとギャラリーに衝撃を与えました。
最終結果は、前田さんが決勝で3位、そして彼の弟である前田武頼さんが6位、ほか金城さん、舞浜の「プラネット・ハリウッド東京」に勤める茂呂俊文さんも含め、世界の10人に4人の日本人が入る、過去最高の成績を収めました。
オーソドックスなスタイルのカクテル大会でも、日本人の繊細さは光るものがあります。
一方でフレアでも、世界に名だたる日本人が、多数生まれているのです。
ちなみにこのフレア、一見パフォーマンスばかりが目立ちますが、ポアテスト(注いだ液体の分量の正確さを試験管で測る、過酷な競技)やスピードラウンド(どれだけ速くカクテルを作れるかを競うもの)、ワーキングフレアラウンド(営業中の状況を想定した競技)など、バーテンダーという職業の本質もしっかり突いています。
日本でも8月19日、20日に、東京・六本木のヴェルファーレで国際大会が開催されます。
出場を希望する海外の実力派バーテンダーも多数いる模様です。
日本対世界の構図を見せるフレアに、ちょっと注目してみてください。

ちなみに首都圏では、T.G.I.フライデース・チェーンの各店や、横浜スカイビル(そごうの隣)のカクテルバー・マルソウなどでフレアを見ることができます。
THE PLACEには、フレア団体の広報担当はいますが、どうやら実演はできないようです。
時間と状況によっては、トップレベルの“映像”をご覧に入れるとしましょう。
posted by Barmen at 13:49|
Comment(1)
|
TrackBack(1)
|
From the Barrel
|

|